「酒づくりの神様」の異名をもつ日本最高峰の醸造家の一人、農口尚彦杜氏が、2年のブランクを経て酒造りに復帰。
2017年11月に開業した酒蔵は、農口杜氏の酒造りにおける匠の技術・精神・生き様を研究し、次世代に継承することをミッションとし「株式会社農口尚彦研究所」と名付けられました。
伝統の技を受け継ぎながらも、”人々が真に求める酒”のために革新を繰り返してきた農口杜氏。
「酒造りの技術を極めたいという熱い思いを胸に秘めた、若い人たちとともに仕事をしたい。
夢や情熱をもっている人に来てもらいたい」という農口尚彦の熱い思いを受けとめ、農口尚彦研究所は設立されました。
70年余年におよぶ酒造り人生の集大成として、若い世代の蔵人たちと共に、生涯最高の「魂の酒」造りに挑み続けています。
「農口尚彦研究所」環境と沿革
酒蔵の立つ場所は、加賀平野の中央に位置し 美しい田圃が広がる里山地区、石川県小松市「観音下(かながそ)町」。
観音下は、名のとおり33体の観音様の石像が祀られた山のふもとの地。
期せずして 観音様は酒造りに最も重要な「水」の化身といわれます。
霊峰白山の雪溶け水が幾重もの地層を抜け、濾過を重ねた清澄な伏流水に恵まれた地。
ニホンカモシカが闊歩し、鶴が田圃に舞い降りる、眩いほどに蛍が輝く郷。
水も空気も申し分のないテロワールのもと、環境に配慮した最先端の設備にて醸されています。
「酒づくりの神様」の異名をもつ日本最高峰の醸造家「農口尚彦」杜氏
1932年、能登杜氏で知られる石川県能登町に、杜氏一家の三代目として生まれました。
16才から酒造りの道に入り、27歳と異例の若さで石川県「菊姫」の杜氏に就任し「菊理姫(くくりひめ)」などを醸造。
能登杜氏四天王の一人として一躍有名に。その後、鹿野酒造で「KISS of FIRE」などの銘酒を生み出し、
2017年11月から「農口尚彦研究所」杜氏に就任。農口氏が業界に与えた影響は大きく、1973年以降低迷を続けた日本酒市場の中で「吟醸酒」をいち早く広め、
吟醸酒ブームの火付け役となりました。また戦後失われつつあった「山廃仕込み」の技術を復活させ「山廃仕込み」復権の立役者としても知られています。
全国新酒鑑評会にて連続12回、通算27回の金賞を受章。2006年厚生労働省「現代の名工」に選定、2008年黄綬褒章を授章。70年以上に渡る酒造り人生の中で数々の銘酒を生み出した、日本酒界屈指の名匠です。
科学的アプローチ
農口尚彦氏は50年あまりにわたって数値データをノートに書きためてきました。それは感覚値を最小限にし、理想の酒に少しでも近づくための科学的アプローチでした。
今尚、理想のお酒を探求し続ける農口尚彦氏の希望で、最新機器を導入し、若手蔵人たちと共にその精度を高めています。
味を決めるのは麹造り
数々の銘酒を世に送り出してきた農口尚彦氏が一番大事にするのは「喉越しのキレ」。きれいな余韻を残しながらスーっと余韻が伸びていくキレを理想とします。
ものに対する愛情
「酒造りに大切なのは、ものに対する愛情。ものを言わない微生物なので、まるっきり正直にならなくてはだめ。身を粉にしてでも、ものに合わす。自分を、麹菌に合わす。酵母菌に合わす。自分の都合を押し付けては絶対酒はこっちを向いてくれない。」
そんな農口尚彦氏の、ものづくりの精神を大切に守っています。
農口尚彦杜氏と蔵の主な経歴
1990年 JAL国際線ファーストクラス搭載日本酒として農口尚彦作の菊姫大吟醸が採用される。
2003年 著書「魂の酒」(発行/ポプラ社)発行。
2006年 卓越技能者に贈られる「現代の名工」認定。「厚生労働大臣表彰」受賞。
2008年 「黄綬褒章」受賞。
2010年 「プロフェッショナル仕事の流儀」「魂の酒、秘伝の技」(NHK総合テレビジョン)に出演。
2014年 「和風総本家」「81歳の杜氏農口尚彦幻の銘酒再生秘話」(テレビ東京)に出演。
2017年 農口尚彦研究所の杜氏に就任。2018年 ANA国際線ファーストクラス・ビジネスクラスでの複数年にわたる機内提供が開始。
「FNS 27時間テレビ」「にほんの食遺産」(フジテレビ系列)に人間食宝として出演。
2019年 「ニュースウォッチ9」「伝説の杜氏再び86歳新たな挑戦の日々」(NHK総合)に出演。「農口尚彦の夢造(ゆめづくり)〜86歳現役酒造りの神〜」(HAB北陸朝日放送)に出演。
Contact
Name 株式会社 農口尚彦研究所
Location
石川県小松市観音下町ワ1番1
brand 農口尚彦研究所