新澤醸造店は明治6年(1873年)創業。所在地は宮城県大崎市三本木に位置します。
代表銘柄は「伯楽星」「あたごのまつ」など。
「食中酒」という概念をいち早く取り入れ、酒造りに生かしています。
震災からの復興
2011年、東日本大震災で甚大な被害を受け、歴史ある蔵は全壊。
地域との繋がりと酒造りへの情熱を絶やさぬため、本社は大崎市のまま蔵を移転しました。
新蔵である「川崎蔵」は蔵王山麓のある宮城県柴田郡川崎町。そこは近くに美しい水源がある恵まれた土地でした。
震災の翌年から製造を再開、酒質を向上させ、「超濃厚ジャージーヨーグルト酒」や「残響シリーズ」など、新たな挑戦を重ねています。
最年少女性杜氏の活躍
2018年9月からは最年少女性杜氏渡部七海さんが製造現場を束ねており、就任直後から多くの賞を受賞。
現在では渡部さんの元、年齢に関係なく「旨い酒」を造ること一点に集中して酒造りを行っておられます。
進化した『新澤醸造店』
震災からの移転後、特に注力したのが設備の充実。新たに精米機と、精米後の割れ米を分別するための装置を導入します。
さらに、米の蒸し釜も特注し、蒸したあとの米を冷やす放冷機も一新。仕込み蔵や搾り機のある部屋は完全空調。
加えて充填ラインも新調し、酒の火入れもスピードアップしました。冷蔵棟を次々と増設し、
全ての酒をマイナス5度で貯蔵できる体制を完成させています。
又、独自の分析器開発も依頼し、麹の分析、ガスクロマトグラフィー(味わいや香気成分を分析)なども導入。
醪(もろみ)状況をすぐに把握することで勘に頼らない醪管理を実現し、変化に素早く対応できるようになっています。
唯一無二の酒質
『究極の食中酒』
新澤醸造店が掲げる「究極の食中酒」。それについて新澤社長はこう語っておられます。
「例えば、オレンジジュースがすごく好きな人がいるとしますよね。ジュースと烏龍茶があったら、ジュースに手を伸ばす人。
でも、そういう人でもやっぱり食事中は烏龍茶を飲む。私たちのお酒はその烏龍茶でありたいと思うんです。
しかもおかわりされる烏龍茶。食事がどんどん進んで、それとともにお酒もおかわりされる。そういうお酒を目指しています」と。
新澤酒造の酒質で何より特徴的なのは、糖分が低く設定されていること。
食事でお腹が膨れると糖分が美味しいと感じられなくなりますが食事と共にいつまでも飲んでいられます。
『究極の食中酒』『伯楽星は三杯目からが美味しい』とファンが広がり、
日本を代表する美酒として押しも押されもせぬ存在として現在に至ります。
リードタイムと飲み頃設計
選ばれた酒屋へのみ出荷
縦に長い日本は、同じシーズンでも気候が異なります。
寒い時期の北へはやや甘めを、暖かい時期の南にはスッキリしたお酒を出荷。
地域毎に糖分量を0.1グラム単位で微調整。出荷先に合わせてリードタイム(手配日数の差)を設定しています。
また、売り手や飲み手の現場を重要視し、食材や調味料の地域性に合わせ、どの土地の料理にも寄り添えるよう、気づいた点は早ければ翌出荷分から調整・修正。
開栓する頃に最も美味しい飲み頃の状態であるように、熟成日数があえて若い状態で出荷されています。
蔵を出た後も品質が落ちないよう、冷蔵施設等保存方法がきちんとした少数の特約店にのみへの出荷を徹底。
コンディションの良くないもの、出荷後三か月以上経過したものは回収されます。
こうして「常に本当に美味しい食中酒」であることを徹底されています。
主要銘柄
「伯楽星」「あたごのまつ」
主要銘柄である伯楽星・あたごのまつの最大のコンセプトは「究極の食中酒」。糖度は一般酒の半分以下。
香り味ともにインパクトは決して求めず、優しく料理に寄り添い、塩の味を引き締め、料理の温度までも引きたてるお酒とされています。
蔵では冷たく冷やして、フチの薄いワイングラスなどで・・・と勧められていますが、実は常温から人肌燗もオススメです。
味わい
胃に負担を掛けない、さらさらスッキリとした、爽やかな酸とキレの良い飲み口。
なおかつ果実の芳醇さや甘さも共存しています。
日本酒の開封後は味が崩れるものが多い中、伯楽星は一日一日空気と混ざり美味しくなっていくと言われます。
飲み手の元に届いた後でもしっかりと旨さと発揮する潜在能力の高いお酒です。
あたごのまつは味の膨らみと強さを持ち、伯楽星は繊細でシャープなキレ味を意識したお酒です。
Contact
Name (株)新澤醸造店
Location
本社 宮城県大崎市三本木北町63
川崎蔵 宮城県柴田郡川崎町大字
今宿小銀沢山1-115
brand 伯楽星・あたごのまつ・愛宕の松・残響
Super7・リキュール類