「梵(born)」(ぼん)と読みます。梵は、ものづくりの街として有名な福井県鯖江市「加藤吉平商店」で造られている清酒です。
1860年に創業。徐々に地酒としての評価を高めていった梵、昭和には昭和天皇御大典の儀において地酒で初めて使われる栄誉を受けました。
昭和中期に「梵」は正式に商標登録されました。今ではなんと100を超える国で商標登録されています。
その後も日本初の市販大吟醸酒の販売、日本初の市販熟成酒など日本酒の可能性を広げてきました。
昭和後期ではJRの民営化、国賓の晩餐会など多くの場面において歴史の変革の際に欠かせないお酒となりました。
数え上げれば枚挙に暇がないほどの圧巻の受賞歴の他、70を超える大使館や領事館にも梵は輸出されています。
創業以来変わることのない手造り
無添加の純米酒
梵では蔵の創業から変わらない伝統的な手造りによる酒造りを今も守り続けています。
現在梵が酒造りで使うのは、米と米麹と水の3つだけ。
余分な添加物は一切加えません。
大量生産することはできませんが、「体に優しく、心からうまいと言ってもらえる日本酒をつくり続けたい」そんな先代からの思いを受け継いでいます。
米のこだわり
様々な米の品種が生まれ、改良が繰り返される中、梵が使用する酒米は実にシンプル。酒米の王様と呼ばれる「兵庫県特A地区産契約栽培山田錦」と「福井県産五百万石」のみ。
といっても高級酒米である特A地区産契約栽培山田錦と地元で栽培された酒米だけを使用することは単純なようで難しいことです。
酒米は入念に精米され、粗タンパク・粗脂肪が少ない心白(しんぱく)だけを使って醸されます。
水のこだわり
地下約184mの深さの井戸から組み上げた、白山連峰の伏流水のみを使用しています。この伏流水は適度なミネラルを含んだ滑らかな軟水。
古くには療養や安産を手助けする水としても言い伝えられてきました。
酒の香りを引き立たせるこの軟水は梵のピュアな味わいを造る大きな一因となっています。
国内でも最高クラスの”磨き”
酒造りには多くのことが複雑に絡まり合います。
そんな中でも梵が特に力を入れている部分が「磨き(精米)」。米の磨きにこだわり抜き、雑味のない澄んだ味わいを生み出しています。
梵の蔵内平均精米歩合は驚愕の34.5%、国内トップクラスに白く精米されたお米を使って醸造されています。
磨きを実現するために最新型精米機を11代目自ら基盤から設計。手造りと最新技術の融合がこの平均精米歩合の高さを可能にしています。
熟成という名の名杜氏
梵のお酒は全て氷温貯蔵
梵では全てのお酒をマイナスの温度帯で熟成させます。
氷温熟成することで、熟した果実のような素晴しい香りが立ち上がり、なめらかで深い口当たりの日本酒になります。
最低でも1年、長いものでは10年以上もの間、大切に熟成されています。
また出荷時も急激な温度変化を起こさないよう、梵の日本酒は予冷庫で梱包されます。当店のお酒の中でも梵の梱包の厳重さはトップクラスです。
発送時間も、温度の変化が少ない、夕方発送・早朝到着に限定し、極限まで輸送におけるお酒の劣化を防いでいます。
「梵」の味わい。
ピュアでクリーン。滑らかで柔らかな口当たり。深みのある味わい、程良い熟成味。梵は「日本酒」のあるべき姿を投影したようなお酒であるといえるでしょう。
日本の国酒である日本酒らしい味わいを頑なに守りつつ、それを超高次元のレベルにまで押し上げた、誇りと心意気が感じられます。
梵が「旨い」酒であることに疑いの余地はありません。だからこそ梵は歴史の変革の際に選ばれ続けてきたお酒なのでしょう。