湯浅は醤油の発祥地として広く知られています。現在の日本の醤油の源泉は、鎌倉時代(13世紀の中頃)紀州の禅寺
「興国寺」の開祖「法燈円明国師」が、当時は南宋と呼ばれていた中国から伝えた嘗味噌
(経山寺味噌、現在は金山寺味噌と呼ばれています)が、その母体とされています。
嘗味噌の中には、瓜・茄子などの野菜から塩の浸透圧によって水分が出てきます。
この水は当時の野菜の生産が6月〜8月であったため、黴の発生や腐敗の元にもなり、捨てるだけのものでしたが、
昔ある時、その汁を利用してみると、これがなかなか美味しい。
そこで、初めからその汁を利用するつもりで造れば「新しい醤」つまり調味料が誕生すると考えたのが今様醤油の始まりだと
言われています。また、湯浅の水が醤油作りに適した水であった事も湯浅醤油発展の一因となっています。
天保時代そのままの蔵
吉野杉の木桶が170年近くを経った今も使用され続けている角長の蔵は、天井や梁や桶など一面に醤油製造に絶対不可欠な
酵母が白く付着しています。「蔵付き酵母」これこそが角長最大の宝であり、美味しさの秘密です。
天保12年創業の角長は170年余の歴史を秘ています。
特に、創業以来の蔵をそのまま生かしています。蔵が古ければ良いという訳ではありませんが、この蔵の屋根の一部が傷んで、
その部分の梁(はり)から全て改修したことがあるそうですが、その下の桶だけがうまく発酵しなかったということが
あったそうです。そこで残りの部分を修理するときは、昔からの天井を残し、その上の部分だけを新しくしたところ以前と
全く変わらない発酵の仕方をしたそうです。
創業以来、昔ながらの手作り手法を現在まで守り続けている角長の蔵の天井にはもちろん、壁や床にも美味しい醤油作りの為に
必要な「蔵つき酵母」が住み着いているのです。 湯浅醤油の中でも唯一、昔ながらの手法にこだわっている角長の蔵の古さには、
美味しい手作り醤油には欠かせない深い意味があったのです。
こだわりの素材
醤油は大豆・小麦・塩・水で造られます。
角長では大豆は岡山産、小麦は岐阜産、仕込みの際の塩水はオーストラリア産の天日塩が用いられます。
一般的に「こいくち醤油」と言うと大豆5割、小麦5割と言われておりますが、この角長醤油は、大豆6割、小麦4割で
造られております。湯浅の町を少し山の方に上がってみると、角長醤油の仕込み水として用いられる「湯浅山田の水」、
山田川の源流へと辿り着きます。ここは、水がキレイと言うのは有名ですが、とにかく景色が凄く美しく、
「蛍の名所」としても有名です。 上質で豊富な仕込み水があった事から湯浅の醤油造りが盛んとなったと言われているのも
納得出来ます。
寒仕込みと手作り100%
角長は、冬季のみの寒仕込みを頑に守り、機械化に頼らぬ昔ながらの手づくりを続ける醤油蔵です。
創業以来変わる事無く美味いしょうゆ(醤油)を「造る」事、それは、昔の、元へ元へと戻るやり方の継続でした。
創業以来ずっとその味を守り続けてきた、定番の角長醤油のラベルには「湯浅たまり」と書かれていますが、
「濃い口醤油」になります。
大量生産では味わえない天然の風味と、柔らかな香り琥珀色の色とつや等、
手づくりの丹精と、約一年半の長期に互る紀州の風土が育てる本醸造醤油です。
濃厚で優しい味をご賞味頂けます。化学調味料・着色料・カビ止め剤や保存料・アルコール添加は一切使用しておりません。
〜角長 ホームページより抜粋〜