主要銘柄であり蔵名ともなっている『初亀』は「初日のように光り輝き、亀のように末永く栄える」事を願い命名されました。
日本酒の蔵元としては小規模な酒蔵であれど、経験を積んだ腕の良い杜氏・職人達が丁寧に育てた酒は、どんなに技術の進歩した昨今の機械にも真似できない逸品を生み出します。
「量より質」と「地元への感謝の気持ち」で醸すこだわりの酒は、古くから多くのファンの心を根強く掴んで離しません。
『酒は造るのではなく、生まれるまで育てるもの。』これは専属杜氏を務めてきた能登杜氏、故滝上秀三氏の口癖。
現在では南部杜氏八重樫さんという若い杜氏が、初亀醸造の専属杜氏・製造技術責任者となり、その思いを受け継ぎつつ、更なる酒質の向上に励んでおられます。
〜いち早く最新の設備を導入〜
三段甑による蒸米設備、製麹は蓋麹(ふたこうじ)、上槽は槽が三台並んでいます。
基本的には昔ながらの伝統的な様式を守りつつ、科学的な根拠に基づいた近代的な醸造学も採用。
職人の技術では補えないハード面にも昔から気を使い、冷蔵設備はもちろんのこと、かなり早い段階から瓶火入を自動で行う機械、「パストライザー」を導入。
更に「チタン製醸造タンク」の導入など、他に先駆けて革新的な事にチャレンジしてきました。
古くから独自のスタイル、コンセプトを持って酒蔵運営を行ってきた蔵元、それが「初亀」です。
〜清酒「初亀」のコンセプトと原料のコダワリ〜
ムラがなく、キメが整う舌触りの酒質を主体とし、お酒によって原料や設備、製法を丁寧に使い分けています。
「普通酒から高級酒まで、大吟醸のような綺麗なお酒」がモットー。
テイストの方向性は全ラインナップを通して似たスタイルとなり、使用している酒米により違いが表現されています。
〜最高品質の米と豊かな水〜
原料米は品種もさることながら、その品質をより重視。厳選された「兵庫の山田錦」「富山の雄山錦」「静岡の誉富士」を主に使用しています。
高級酒に使用される原料米山田錦は、山田錦特A地区の中でも高品質と評価の高い兵庫県加東市東条町産。
東条地区産の山田錦を用いて最高級の日本酒造りを目標とし、日本屈指の12蔵のみが加盟する団体『フロンティア東条21』のメンバーともなっています。
富山の雄山錦は栽培がはじまって20余年の新品種。雄山錦を使用したお酒は「上品でスッキリ」「やや辛口で、やや濃醇」「ふくらみがあって、バランスがよい」と味わいの評価が高い酒米。
吸水が速く麹菌の繁殖力が強いことに加え、精白度を高めても砕けることが少ないため、香り高い上質な大吟醸酒造りに最適。
地元静岡で開発された酒米、誉富士も上質で、上品な柔らかい酸と穏やかな香り、ふくよかでありながらもスッキリとした飲み口は、時に女性的とも言われる静岡酒のたおやかな魅力を余すところなく表現しています。
使用される水は豊かな南アルプスの伏流水を使用。地下50mから汲み上げられる冷たく清らかに澄んだ水は、初亀の酒をより美味しく磨き上げています。
〜近年の主な受賞歴〜
【SAKE COMPETITON 2018】 【Kura Master 2018】
・初亀 純米大吟醸(GOLD) ・初亀 純米酒 岡部丸(SILVER)
【International Wine Challenge 2018】
・初亀 特別純米(GOLD)・初亀 純米大吟醸 亀(SILVER)・初亀 純米大吟醸(SILVER)
・初亀 粋囲 純米吟醸 誉富士(SILVER)・初亀 粋囲 特別純米 誉富士(SILVER)
・他(BRONZE×6点)・SAKE BREWER OF THE YEAR 2018(ノミネート)
【平成30酒造年度全国新酒鑑評会】 入賞(R元年5月17日発表)
その他、これまで数々の賞を受賞