こちらは一度は途絶えてしまった滋賀渡船6号という、
復刻米を使って醸されたお酒。
そんな希少性の高いお酒を大胆にも88%精米という粗削りに、
昔ながらの造り方である、空気中に存在している乳酸菌を取り込む
"生もと造り"を採用したしっかりと本格派の辛口酒。

この生もと造りでは、発酵日数が現在主流の造り方よりも
長い日数発酵するため、より旨みが詰まります。
低精白のお酒ならではの、米感や、麹感というものは確かに感じるのですが、
そこまで強いものではなく、焦がしキャラメルのような甘い香りも漂っています。
含んでみると、想像よりも綺麗な味わいで、
いい意味で88%という低精白を感じさせない味わい。
しかし、生もと造りの濃厚な旨味、酒度11のしっかり辛口、
そして原酒らしいガツンとくる味わいはさすがの味わいです。

使用米：滋賀渡船6号　 磨き：88％

近畿の水瓶「琵琶湖」の東南に位置し、旧東海道に面する場所に北島酒造はあります。 古文書によると寛文四年(1664年）半三郎、針村に庄屋を務めるとあり、薬や、米屋なども営み文化二年（1805年）より 酒屋を始め、隆盛した年代あり、廃業した年代あり幾多の変遷を経て今日にいたっています。現在で13代目ですが11代目まで 代々「酒半」と言う屋号を襲名していました。

昭和25年、12代目北島駿一氏が「北島酒造株式会社」設立。この時より清酒「御代栄」を発売し 同時に灘、伏見の メーカーへ桶売りを始めました。 昭和53年、13代目北島吉彦氏が代表取締役就任すると、 「少しでも良いから本物の良い酒が飲みたい。」という気持ちから三倍増醸廃止、桶売り中止、さらに全量糖類の使用を全廃。 純米酒、吟醸酒等の高級酒にも力を入れ始めます。そして、大吟醸「御代榮」が昭和63年に全国鑑評会に於いて品質日本一 とも言うべき金賞を受賞しました。

鈴鹿山系から湧き出る伏水流と美味しい近江米から造られる酒は、 「気に入らなければ一本のお酒も門を出さない」という姿勢を貫いています。 また、近年、専務である若い蔵主、北島輝人氏を中心に別ブランド「北島」を立ち上げ、新たな酒造りに取り組んでいます。