萬乗醸造の歴史と歩み。
「醸し人九平次」(かもしびとくへいじ)と読みます。創業は1647年。
高度経済成長期、安価な日本酒が飛ぶように売れた時代、萬乗醸造も同じように大量生産を行っていたといいます。
そんな流れの中で埋没してしまうことを恐れ、1997年から吟醸酒の製造に力を入れ負の脱却を試みます。
そして2002年には吟醸酒、大吟醸酒のみの製造へと移行しました。
今では日本酒の未来の開拓者。その歩みはまだまだ止まりません。
醸し人九平次が求める
三つの条件
日本酒が語られる際、「香り」「味わい」「キレ」「舌触り」などが話題となります。
さらにもう少し詳しく度数や酒度、酸度などといった表現も可能です。しかし、日本酒を口にしたとき、
本当に感じるのは感動や喜びなど、表面的な数値などではなくもっと本質的な部分です。
萬乗醸造ではその本質的な部分を最も尊重し、酒造りの際に以下の三つのことを重視しています。
1.美意識
「その日本酒は五感を刺激するか」
美しい田んぼから収穫された、美しいお米を、美しい環境で醸造したい。
萬乗醸造の考える「美意識」は実にシンプルです。
あらゆる細胞、感覚器で世界を感じ取り、消化し、日本酒に反映させる。
それが醸造家の仕事です。 そのためには細部にまで神経を配らなくてはなりません。
それができれば、自ずと日本酒にも美が宿ると萬乗醸造は考えています。
2.本質
「その日本酒はエレガントか」
造り手として、日本酒の本質を知りたいというのは当然の欲求です。
日本酒とは?日本酒らしさとは? それを追うことは孤独で、果てしない行為です。
しかし誰が、何時、何処で飲んでも、本質を体現した日本酒にはエレガントさが宿ります。
醸し人九平次はまさにそのエレガンスを体現したお酒と言えるでしょう。
3.先見性
「将来も愛されているか」
今の時点で、最高のものをつくる。
それは醸造家の使命です。 歴史が進み、更なる多様化が進む中、 日本酒のおかれたシチュエーションも可能性も無限に広がっています。
そんな将来のマーケットで輝き、楽しまれる日本酒。
その要素を今の時点で少しでも垣間見ることが出来た時、 人は無意識のうちに心ざわつき、興奮するのだと思います。
先見性、それは今現在の飲み手のためだけでなく、 未来の日本酒ファンを喜ばせるためでもあります。
米造りへの取り組み
兵庫播磨黒田庄。
酒米山田錦の育成条件が揃う数少ない地。 この地で萬乗醸造は米を育てています。
全く未経験の蔵人が実際に米作りに従事することで見えてきたものあると言います。
そして自分たちで栽培するお米だからこそ多くのことにチャレンジし、そこで米に対する多くの財産を得ました。
「黒田庄に生まれて、」は萬乗醸造が栽培する山田錦を100%使用したお酒。このお酒から蔵人の思いや生命の息吹が感じられます。
清酒「醸し人九平次」
醸し人九平次は熟した果実味を宿し、気品、優しさ、懐かしさを感じられる酒造りを心がけています。
お酒は米の品種と産地、精米歩合の違いから構成されています。
やはり醸し人九平次から感じられる一番の印象は「品」ではないでしょうか。
確かにウマイ、でもそれだけでなくそこには上品でなんとも言えない高揚感があります。
日常に彩を添える、そんな魅力が醸し人九平次にはあります。
2019ヴィンテージレポート
2019年ヴィンテージの米は、前年冬の暖冬、長引く梅雨と高温の影響を受け、虫害や高温障害の為、青いまま刈り取られました。
「山田錦」「雄町」共に硬く小粒なのが特徴。収穫量も例年より10%程減少したとか。
硬いため溶けにくく、小粒なため砕けやすい...蔵人泣かせの米ですが、その米の魅力を最大限に生かし、すっきりとスレンダーでシャープに仕上がっているようです。
軽やかで飲みやすく、その分柑橘系の華やかな香りが印象的。熟成にも向いており、味わいは右肩上がり。1、2年後も楽しみな、今年の九平次です!
Contact
Name 萬乗醸造
Location
愛知県名古屋市緑区大高町西門田41
brand 醸し人九平次