蔵が目指しているのは日本酒の可能性を柔軟に追求した高品質の酒造り。
蔵人達造り手が快適に酒造りを行える良い環境から良い酒が生まれる「和は良酒を醸し、良酒は和を醸す」という「和醸良酒」の考えのもと、新しい技術や機械を取入れデータを管理。
蔵人達の労力を軽減することにより、手作業が必要な工程は、よりその感覚を研ぎ澄まし緻密で繊細な作業を行えるよう配慮。
反面、機械を扱う前に、きっちり手作業での醸造を継承・鍛錬する場として「吟醸工房」という本社蔵とは別の蔵を設営。
小石高から醸造できる為、オーダーメイドや試験的な取り組みも数多く実施してます。
後述「一念不動」は吟醸工房での討究の賜物。
チームワークの「和」から生まれる上質の酒は、造る人から手携わる人、そして飲む人へと、たくさんの「和」を広め繋いでいきます。
蔵人自ら米を作り、酒を造る。
農業に従事する農家の高齢化や後継者不足が深刻で、離農してしまう方々が増えていることを憂慮し、関谷醸造は米作りを続けられなくなった農家から水田を借り受け、20年程前から酒米の自社栽培をスタートします。
現在は25ヘクタール、東京ドーム5個分の水田で酒米を栽培。
さらには農業法人を立ち上げての米作りに対する情熱は特筆に値し、JAをも凌ぐ、設備も揃った驚きの超本格派。
営業担当も夏には草刈りを手伝う等、全社員が総力を挙げ米作りに勤しみます。
これには他蔵も尊敬の眼差しを向けています。
関谷醸造では蔵の「地酒」の定義として、造る酒は地元愛知県三河地方で取れた酒米を5割以上使うことを心掛けています。
中でも愛知県を代表する酒米「夢山水」は山田錦と並ぶ粒の大きさであり、吸水も穏やかで高精米にも耐えうる割れの少なさ、吟醸酒造りに最適な好適米です。
山間部の活性化に寄与できる事を祈念して命名された、地元愛溢れる酒造米。
古くから「水の里」と呼ばれるこの地は豊かな自然の水脈に恵まれ、口当たりのまろやかな軟水の清水がこんこんと湧き出る。
地元の米、地元の水を何より大切に醸した酒、それが関谷醸造の醸すお酒です。
主力銘柄は「蓬莱泉」と「一念不動」
・「蓬莱泉」
「酒と言ったら蓬莱泉」と愛知県民が口をそろえて言うほど、地元で抜群の根強い人気を誇る酒。
安定した酒質と親しみやすい口当たり、伸びやかな後口が特徴です。
「元は苦手だったのに、蓬莱泉を飲んで日本酒好きになった」という人もいるほど。
漫画や雑誌、各種メディアにも取り上げられ、愛知県民が愛してやまない自慢のお酒です。
その出荷総数の内、8割が愛知県下に出荷。県内での人気が高すぎて、他府県ではなかなか手が届かないという人気ぶり。
殆どのお酒が1年以上の熟成を経てから出荷されます。
・「一念不動」
米の持ち味と旨さをしっかりと引き出した完全手作りの『一念不動』。
お酒の個性を際立たせ、味わいの幅を広げた本格派熟成酒です。
新酒、シーズン商品は熟成期間を持たないものの、こちらも蓬莱泉同様、複雑な味わいと飲み頃になったお酒の旨味を感じさせてくれる「飲むほどに楽しみが広がる酒飲みの酒」。
万人受けする優しい味わいの蓬莱泉に対し、一念不動は一種独特のクセも持ったやんちゃな個性派。
小仕込みが出来る吟醸工房の利点を生かし創造的に様々な試みを実践、醸造の可能性を広げ未来を見据えた酒造りから展開したユニークな酒です。