空前の和食ブームの中、いまや日本に限らず世界中にその名を轟かせる「獺祭」。
全国の地酒の中でも指折りの飲みやすさ、酒質の綺麗さで世界を巻き込んで飲む人を幸せにする酒です。
名前の由来は、蔵元が位置する獺越(おそごえ)という地名と、文豪、正岡子規の別号「獺祭書屋主人」から来ています。
醸されるお酒は全て純米大吟醸酒
「獺祭」とは。
「獺祭」(だっさい)と読みます。獺祭は、山口県の蔵元「旭酒造」で造られている純米大吟醸酒です。
旭酒造の歴史は古く、創業は昭和初期、1770年とあります。
今でこそ日本を代表する日本酒となっていますが、創業から永きに渡って小さな地酒蔵でした。
しかし今では国内外を問わず品薄続出するほどの大人気の日本酒であり、世界を股にかけて日本酒文化を拡げています。
卓越した酒造りの技術
旭酒造で造られるお酒は、すべての銘柄が精米歩合50%以下の純米大吟醸酒です。
今の時代では高精米なお酒も随分と増えましたが当時の酒は今ほど精米歩合は高くありませんでした。
旭酒造は「日本最高の精米歩合のお酒を造ろう」と考えました。
発売当時日本酒業界最高の磨きである「二割三分(23%)」のお米で造られた日本酒であり、
これは今でも日本トップクラスの精米歩合です。
獺祭を一躍有名にした「二割三分」
一般的な純米大吟醸酒が50%程であることから考えても、23%という数値がどれほど大きな挑戦であり
果敢な挑戦であったかがお分かりいただけるはずです。
日本酒を造るために必要なお米の組織を壊すことなく二割三分まで精米するためには、
熟練した蔵人さんたちの並々ならぬ高い技術が必要です。
米の磨きの日本最高峰に挑戦した当初、精米歩合23%のお米を造るために合計168時間がかかったそうです。
そしてその時間は今でも殆ど変わることはありません。
世界初の「遠心分離」
獺祭では「遠心分離システム」を導入したことでも業界の常識を覆しました。
日本酒の「搾り」の過程では圧力をかけて搾る方法が一般的ですが、獺祭の「遠心分離」は遠心分離機にて、一分間に約3千回の遠心力でもろみと生酒を分離。
遠心力を使うことでお酒に負担をかけることなく、もろみ本来の甘みや香りといった純米大吟醸酒ならではの良さを残すことができます。
高額な機械ですが、旨い酒を造るため、手間や費用を惜しまない姿勢こそが獺祭が世界のお酒である理由なのかもしれません。
「杜氏」の居ない酒
獺祭を世に送り出している旭酒造には、日本酒の醸造職人である「杜氏」がいません。
これは、旭酒造で働く社員全員が同じ志を持つ杜氏であるという考えから。
旭酒造の強みである一年を通して安定した日本酒造りを可能にしている背景には、「日本酒造りをデータ化」していることが挙げられます。
杜氏の技術に頼らなくても済むよう、データを活用するようになったそうです。
これによって農業、温度管理、醪の管理などをデータ化し、品質の安定した酒を造ることが出来ます。
世界で人気の獺祭
日本を代表する純米大吟醸酒「獺祭」は、欧米を中心に世界数十か国に輸出されています。
また、獺祭が度々話題に挙がるようになったのが、安倍総理が2013年にロシアのプーチン大統領に、2014年にはオバマ大統領に獺祭を贈ったことがきっかけでした。
他にも、世界的に有名なヱヴァンゲリヲン新劇場版を手掛けた同じく山口県出身の庵野秀明総監督が、登場人物が獺祭を愛飲している様子を描いていることでも話題になりました。
日本国内に限らず世界的にも認知度を上げた獺祭は世界的に有名なフランチの巨匠ジョエル・ロブション氏から「フレンチによく合う」と高い評価を受けています。
これは獺祭の綺麗で洗練された酒質が洋食の油を流してくれるからです。
この評価を裏付けるためにも、日本を代表する純米大吟醸酒・獺祭は、日本酒や洋酒といった垣根を越えて、
数あるお酒の中でも選ばれる最高級のお酒を造ることを目標に現在も精力的に世界への挑戦を続けています。
常に進化を遂げる
日本市場に留まることなく、世界市場にも果敢に挑戦を続ける「獺祭」は、
食文化の中心フランス・パリで浸透させたいと考えています。
海外で日本酒といえば「DASSAI(獺祭)」と認識する方もいるほど、すでに世界の和食ブームに獺祭の存在は欠かせません。
海外用に味を改良することなく獺祭ならではの味や香りをそのまま楽しみたいという日本通の方が世界中に増えていることも世界で獺祭が注目を集める理由なのではないでしょうか。
Contact
Name 旭酒造
Location
山口県岩国市周東町獺越2167-4
brand 獺祭